top of page

【取材記事】静岡発、地酒サバラン――ベーカリー&酒ィーツ『おはな』

  • 執筆者の写真: savarin2022-blog
    savarin2022-blog
  • 5月11日
  • 読了時間: 4分

更新日:7 日前



 伊豆半島の中心に広がる“中伊豆エリア”――。開湯1200年の歴史を誇る修善寺温泉や、川端康成の名作『伊豆の踊子』で描かれた情景が息づく天城湯ヶ島、ホテルやグランピングを併設した『中伊豆ワイナリー』など、歴史と自然、おいしいものがぎゅっと詰まった人気の観光地です。


 そんな中伊豆の山間に佇むのが、『ベーカリー&酒ィーツカフェ おはな』さん。


 地元の人々に愛されているパンとお菓子のお店で、近年は、静岡の地酒を使ったサバランをはじめ、地元食材を活かしたお菓子 “酒(しゅ)ィーツ”で人気を博しています。今回は、おはなさんの魅力と、これから大注目の地酒サバランをご紹介します。




■伊豆の地酒がサバランに変身!?――店主・石川さんの挑戦


 店名の“酒(しゅ)ィーツ”とは、お酒×スイーツの造語。その名の通り、おはなさんの看板商品は、静岡県の地酒を使ったサバランです。店主の石川さんは言います。


「地酒サバランを作るきっかけになったのが、伊豆市の酒蔵『万代醸造』さんの “萬耀(ばんよう)”の原酒です。試しに、サバランのシロップに使ってみたところ、砂糖を入れて煮立たせたことで日本酒の香りがまろやかになって、豊かな味わいのとてもおいしいサバランができました。じゃあ、他の地酒でも…と、試作を重ねて、現在に至ります」


 現在、おはなさんでは、静岡の日本酒4種のほか、『中伊豆ワイナリー』(伊豆市)のワインを使ったサバランを販売中。また、2024年には、日本酒のプロデュースなどを手掛ける『富士の酒』(掛川市)とコラボした、“ロゼワイン樽 志太泉”と、“ウィスキー樽 開運”を使った、特製サバランを販売しました。




【 おはなさんの地酒サバラン 】




■伝統の味に新たな風――地酒サバラン、誕生秘話


 フランス伝統菓子のサバランは、シロップにラム酒やブランデーを使うのが一般的ですが、石川さんはなぜ、日本酒を使ったサバランを作ったのでしょうか?


ぼくは、元々、愛知県のお菓子メーカー『井桁堂』で働いてました。その後、一念発起してお菓子屋を開業し、最初は、別荘地の伊豆平パールタウンにお店を出したんですが、その時、住民のみなさまから “パンを食べたい”という要望があったので、それに応える形で、パン作りに乗り出しました」(石川さん)


 そして、2020年。現在の店舗がある戸倉野に移転し、石川さんとサバランの出会いが訪れます。


「戸倉野で長年親しまれていた老舗パン屋『サンリーブセキヤ』さんが閉店し、その店舗を引き継ぐ形で移転したんですけど、そのセキヤさんの人気商品がサバランだったんです。ラム酒とブランデーをきかせた大人向けの商品で、初めて口にした時、その濃厚な味わいに衝撃を受けました。

 セキヤさんのサバランはファンが多く、閉店を機になくなるのを悲しんでいる人がいると聞いたので、このおいしいサバランをぼくも作りたい、この味を残したいと思って、セキヤさんから製造法を教わったんです」(石川さん)


 こうして誕生したのが、地酒サバラン。セキヤさん伝統のサバランをベースに、石川さんの発想で地酒を組み合わせた一品は、世代を超えて愛される、まさに“中伊豆の味”になったわけです。


「一般的なサバランは、お酒を香りづけに使いますが、当店のサバランは、地酒を前面に出しているので、お酒の香りを楽しみたい人、本格派のサバランが好きな人にぜひ食べてもらいたいです」(石川さん)



【 地酒サバラン・杉錦 】




■修善寺駅でも買える――梅の実が入った”新”大福


 おはなさんの名物は、地酒サバランだけではありません。店内には、地元の方々が愛するパンや和菓子がずらっと並んでいます。


【 パンの販売コーナー 】



 【 めっちゃごまパン 】

 成形ができるぎりぎりまで、生地にごまを練りこんだという、こだわりの食パン。そのまま食べれば、ごまの風味が広がる優しい味わい。焼けば香ばしく、バターやあんこなどを乗せるとリッチな食べ心地で、大満足!



 【 梅酒大福 】

 梅酒の製造過程でできた梅の実をあんこの中に入れた、贅沢な一品。(2025年現在、)修善寺駅の売店でも販売していて、新たな人気商品に。




■山々と清流を望む、癒しの空間


 おはなさんのある戸倉野は、修善寺温泉駅と、日本一の水わさびの産地“伊豆市筏場”を結ぶ路線バスで行けます。緑豊かな自然と清流があり、近年、おしゃれなグランピング施設もできたことで、アウトドアを楽しむ観光客も増えているそうです。




【 バス停留所「戸倉野」から、徒歩すぐ 】




【 イートインコーナー 】



■取材後記


 2025年。おはなさんは、店舗の改装を経て、新たにイートインコーナーを設けました。戸倉野の絶景が望める席で味わう、地酒サバラン――。この贅沢な時間こそが、おはなさんの最大の魅力だと思います。石川さんいわく、今後は、コーヒーなどを提供するカフェ営業も考えているそうです。


 ちなみに、おはなさんの一部の商品は、冷凍発送による通販でも購入可能。遠方の人もぜひ、中伊豆名物 "地酒サバラン"を味わってみてください。


【 (左)店主の石川さん (右)筆者:いしい 】




ベーカリー&酒ィーツカフェ おはな

電話: 090-6509-3294

住所: 〒410-2519 静岡県伊豆市戸倉野12

 
 
 

Comments


©2022 Wix.com で作成されました。

bottom of page